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2008.03.17

夏鳥たちの楽園 - 「匹見再発見」 20

 かれこれ40年前になるだろうか、益田市匹見町と広島県安芸太田町が接する県境にそびえる恐羅漢山(標高1346m)を目指し、中学生らと3泊4日の登山に出掛けたことがある。
 元気いっぱいの子どもたちに引っ張られ、初日は頂上を目前に匹見側で野営した。ブナの大樹が頭上を覆い、落ち葉でふかふかのカーペットのような地面の広がりは、森の不思議な国に迷い込んだような錯覚さえ抱かせた。
 夜明けごろ、谷間から小鳥のさえずりがこだましてきた。「キョロロー」「キョロロー」。もしやアカショウビンでは-。わが耳をうたぐるほどの低い鳴き声。「間違いない」。その時の感動は今でも忘れられない。
 アカショウビンは、全身が燃えるような赤色で染まったカワセミの仲間。夏季、繁殖のため南方から日本の広葉樹林にやって来る。数は少なく、野鳥愛好家でも間近で観察できるチャンスはめったにない。
 営巣地では朝夕、相手を探して鳴き交わす。カップルになると、雌は上げ膳(ぜん)据え膳の〝お姫様〟となり、オスがかいがいしく世話をする。ひなが大きくなると、夫婦で餌を運んだりするが、天敵のイタチに狙われることもある。
 この鳥を求め、10年前から匹見の山々を歩き回っている。入山はいつも未明。鳴き声を頼りに行ったり来たり。何日も粘ってねぐらや移動コースを確かめるが、あの特徴的な鳴き声を聞くと疲れが吹き飛ぶ。
 ホトトギスなど、ほかの野鳥に出合える楽しみもある。寝坊助のジュウイチ(カッコウの仲間)のさえずりは心を癒してくれる。
 匹見の広葉樹林は夏鳥たちが集う楽園でもある。

 

(写真は後日掲載します)

 

(文・写真 /福原純孝)

 

この記事は、2008年3月16日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。

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