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2009.09.07

天狗 - 「匹見再発見」 54

立岩  匹見には天狗瀧(てんぐだき)、また「堀越天狗」といった天狗にちなむ地名や、天狗の休み場だという「天狗松」、あるいは「グイン松」といった巨木・奇形な樹木などが見られる。
 天狗は顔は赤くて高い鼻をもち、背に翼があって飛行自在で、手には羽団扇(はうちわ)をもつ。服装は山伏姿が一般的だが、中には僧侶の場合もあるといわれ、深山の岩場または松の木などの樹上にいるという想像上の怪物だ。
 「天狗風」「天狗礫(つぶて)」「釣天狗」など、諺(ことわざ)ではマイナスイメージが強いが、これは魔界に棲むということから生じたものであろう。
 しかし山郷の人たちにとって、かつては山神に近い存在であったらしく、例えば三葛には大神ヶ嶽(あるいは立岩ともいう)から申し降ろしたという「狗印社」という祠(ほこら)がある。
 こうした天狗の原型は、どうやら山伏の姿やその行動にあるようだ。つまり山界の岩場を登ったり火の中を歩いたり、刀(は)渡りをしたりと超自然的なことは、まさしく天狗像そのもといってよいだろう。古書や伝承には「山伏が天狗になった」とか、その逆の記述もある。いずれにしても日本固有の山岳宗教や、また修験道との密接なかかわりの中から登場したものであろう。
 切り立った岩場などを当地では、タキとかダケとかいっているが、古くはそのような場所は地方山伏の修業場であったらしく、それが天狗伝説を生むきっかけになった。原初的には、そういった岩山や巨木などには神がこもるといった、自然崇拝から発したものであったことも頭においておかなければならない。

 

写真:そびえ立つ立岩。天狗伝説が残る

(文・写真 /渡辺友千代)


この記事は、2009年9月6日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。

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