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2008.11.17

動物の気配 - 「匹見再発見」 37

松かさ  秋が深まり、今年も狩猟が解禁された。猟師たちは山に入り、イノシシを始めとした動物を追い、捕らえる。
もちろんそうやすやすとことが運ぶわけではないが、長年の経験と動物たちの習性をよく知ることで、猟師は獲物を仕留めてくる。
 一緒に山を歩くと、ほらあそこにもここにもと、猟をする人は動物たちの痕跡を次々に見つけてしまう。それにはとても及ばないが、少し注意を払うことで、匹見では身近に動物の気配を感じることができる。
 姿を見掛ける機会が多いのは、タヌキやサル、イタチなど。ノネズミやモグラは、ネコがお土産に持ち帰ることも。直接姿を見掛けなくても、イノシシが道端を掘り返した跡、ときには泥浴びのためのヌタ場に出くわすこともある。雪が降れば、ノウサギやテン、キツネなどの足跡を見つけることもできる。
 石の上などに残るイタチやテンの糞、ころころ丸いノウサギの糞、タヌキのため糞など、その辺りにどんな動物が暮らし、何を食べているかまでわかる糞は、彼らの生活をうかがわす「気配」だ。
 食事の跡(食痕)にも個性が出る。よく目立つのは、ツキノワグマがクリの木などにつくるクマ棚。枝を折ってたぐりよせ実を食べる。木の下には、きれいにむかれたクリの皮が落ちている。
 しまねレッドデータブックに「島根県に生息しているか不明」とされているニホンリス。このリスが食べたらしい松かさを見掛けることもある。ぜひその姿も見てみたいものだ。
 現在、中山間地域ではサルやイノシシ、シカ、クマなどの被害が多い。「気配」に気付き、相手をよく知ることが、対策への第一歩なのかもしれない。

 

写真:リスがかじった、と思われる松かさ

(文・写真 /田代信行)


この記事は、2008年11月16日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。


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2008.11.03

紅葉のころ - 「匹見再発見」 36

紅葉の鈴ヶ嶽  川辺から春が始まり、やわらかな新緑が里から山の高いところへとみるみる駆け上がっていくのに対し、秋は山から里へと静かに忍び下りてくる。
 稲刈りがすみ、各地区の祭りで神楽の囃子が聞こえるようになると、朝晩も冷え込んでくる。山の緑は精彩を欠き、そろそろ衣替えの準備。きりっと冷えた朝が数日続くと、いつの間にか尾根筋に鮮やかな赤や黄が現れる。
 ひと足先に、しかもより鮮やかな紅葉を楽しみたいのなら、やっぱり山登りだ。安蔵寺山や恐羅漢山周辺のブナが見られるような山が良い。白い樹幹に黄色みがかった褐色の葉のブナを中心に、「もみじ」と呼ばれるカエデ類を始めとしたさまざまなの赤や黄、橙色、それに天然スギの緑が加わって錦を織り成す。
 山といえばちょうどこの時季、夜明け前の大神ヶ岳に登ったことがある。ご来光に照らされ、次第に青さを増してくる空をバックに、輝くような見事な山の姿だった。
 紅葉前線は次第に山を下り、やがて渓谷を彩るようになる。奥匹見峡を三の滝まで歩くコースは、まさに錦の秋に分け入っていくよう。滝を眺める足元の淀みには、色とりどりの落ち葉が集まっている。
 裏匹見峡の鈴ヶ嶽は、そびえる岩肌にツガやモミ、アカマツなどの濃い緑が、赤や黄色を引き立たせ絶景をつくり出す。
 道路から気軽に紅葉を堪能できるのが、前匹見峡や表匹見峡。表匹見峡から道川にかけての山腹は、ナラのが橙に近い茶色に染まり圧倒的。三脚にカメラを据え、じっくりと撮影にのぞむ姿もよく見かける。
 今月は紅葉ロードレースや産業祭もひかえ、匹見の山や里は、冬を迎える前のにぎわいを見せる。

 

写真:紅葉に彩られ、見ごろを迎えた匹見峡

(文・写真 /田代信行)


この記事は、2008年11月2日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。



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