木工と木を使う文化
11月25日、ひきみ案内人養成講座の第7回、「木工と木を使う文化」がおこなわれました。今回は、ひきみ森の器工芸組合を訪ね、代表の大谷照行さんにお話をうかがい、実際に木を削って製品をつくっているようすをみせていただきました。
こちらの組合では、おもに機械式の木工ろくろを使って盆や皿、椀などをくり、ウレタン塗装をおこなっています。特定の種類だけでなく、ふつうはあまり使われないようなさまざまな木を使っているのが大きな特徴とのこと。つや消しの透明な塗装のため、色や木目の個性を楽しむことができます。
ただ、種類が多いということは、材の乾燥、削るときの道具や加減などにそれだけ手間をかけなければいけないということ。丸太の段階からいくつもの手順をふみ、何週間もかかってようやく製品ができあがります。そのため少々お値段ははりますが、木のぬくもりと使いごこちのよさを実感してもらうため、普段使いの食器としてりようしてほしい、というのが大谷さんの思いのようです。
木っ端を燃やしている薪ストーブの暖かさのなか、受講生の方々の質問や意見に熱心に対応していただきました。
工房を辞したあと、匹見上地区振興センターに場所を移し、おやつをいただきながらみなさんの感想をうかがいました。おやつは、mapleさん特製のブルーベリーソースをかけた豆乳のプリン?(すみません、正式な名前を覚えられませんでした)とブルーポピーシード入りのシフォンケーキ。せっかくだから森の器を使って、楽しみ方の提案もしてもらおう、ということでお願いしました。これが大好評。おやつはもちろんのこと、器に関しても好印象をもってもらえたようです。
みなさんの感想としては
「これだけ手間をかけてつくられているとは知らなかった」
「値段が高い高いというだけでなく、まずは使ってみるのがいいのでは」
「さっそく自分で買ってつかってみようと思う」
「匹見の木を使う割合が少ないとのことで残念。森の器の森をつくるのもいいのでは」
「せっかくのよい商品があるのに、案内等があまりないので知ってもらえずもったいない」
などの声がありました。(報告:NT)
写真コンテスト表彰式
11月23日(祝)、匹見地域の産業文化祭開催にあわせ、ひきみ「水」写真コンテスト受賞者の表彰式と受賞作品の展示をおこないました。審査からあわただしいスケジュールになってしまったせいもあり、12名の受賞者のうち代理の方もふくめ6名の出席となりました。
出品されたままのプリントにくらべると、額に入った「作品」はまたぐっとよい感じ。お互いの作品を鑑賞しながら写真談義する姿もみられました。
表彰状と賞品(目録)が授与されたあと、審査委員をお願いした島根写真作家協会会員の吉崎佳慶さんに総評をいただきました。「観光写真ではない、匹見のさまざまな魅力をバランスよく選びました」ということです。(下の「続きを読む」をクリックすると審査総評をごらんになれます)
平成19年度には、『木』をテーマにした写真コンテストを開催する予定です。木や森そのもの、それに関わる人やくらし(木工、林業、木造建築、食、行事など)を通して、匹見の魅力を再発見していきたいと思います。
正式には平成19年4月ごろからの募集となりますが、これからの冬、早春のようすもとらえておいていただき、ぜひ次回もご応募くださいますようお願いいたします。
ひきみ「水」写真コンテスト受賞作品が決定しました
10月31日に募集が締め切られた、『ひきみ「水」写真コンテスト』(ひきみ学舎主催、益田市後援)の応募作品の審査がおこなわれ、一般の部・ビギナーの部をあわせて12点の作品が選定されました。審査委員は、島根写真作家協会会員の吉崎佳慶さんにお願いしました。
一般の部(応募者数10名・応募点数39点)
最優秀賞 「槽(ふね)のある風景」 田代信行(匹見)
優秀賞 「11月の朝」 野室庸司(益田市)
「生(せい)」 前田 修(匹見)
入賞 「水光」 島田圭子(益田市)
「抜け殻」 山根弘美(匹見)
「清流」 領家文忠(益田市)
ビギナーの部(応募者数17名・応募点数55点)
最優秀賞 「ドロンコ」 足立公司(匹見)
優秀賞 「爽快」 小豆澤 勝(松江市)
「碧(あお)」 河野波香(匹見)
入賞 「何が見える?」 アンダンテ21事務局(益田市)
「雨の匹見」 高山 圭(匹見)
「漬け物仕度」 田代祐子(匹見)
計27名の応募者のうち、匹見にすんでおられる方は17名、匹見地区以外の益田市が6名、吉賀町が1名、大田市が1名、松江市が1名、神奈川県が1名でした。正直なところ、予想外に多くの作品が集まりびっくりしています。ご応募くださったみなさま、本当にありがとうございました。
三葛・つむぎ峡めぐり
11月5日、匹見上地区振興センター主催のひきみ学講座「日本の原風景を歩く」にあわせて、ひきみ案内人養成講座の第6回をおこないました。今回は、匹見地区最奥部の集落のひとつ、三葛をぶらぶら歩きながら、現在では少なくなってしまった昔ながらの山村風景やくらしについて、渡辺友千代さんからガイドをうけました。
ガイドの渡辺さんはここ三葛出身ということもあり、あちらの路地にはいって小さな社を見、こちらの家ではなつかしい知り合いとおしゃべりし、ふつうならどこにあるかわからないような近道を通りと、じつにさまざまな歴史やくらし、自然や伝説を学び、また楽しむことができました。
昼食時には、参加者からもさまざまな話題が出て、まだまだ匹見のことで知らないことは多いなぁという感を強くしました。
午後からあがったつむぎ峡の渓谷と滝のすばらしさには感嘆の声をあげ、河内神社でおこなわれていた祭事を見学し、日程は終了。
会の最後に皆の口から出たのは、「昔ながらの風景やくらしが残っていてよい」ということに加え、「地元の人にとっては苦労も多いだろう」「これからどうなっていくのか」「次の世代に引き継いでいかなければならないことも多いのでは」ということでした。
三葛とは、マップづくりなどさまざまな機会でおつきあいさせていただく予定です。(報告:NT)