第3回 しまねツーリズム大学
今回の講座は、「滞在型観光地への誘導と観光プロモーション手法」というテーマで開かれました。講師は、(財)日本交通公社の大野正人さん、横浜商科大学教授の羽田耕治さんです。
大野さんからは、
「島根では周遊観光が主流で、これからの観光の中心になる可能性が高い滞在型への転化が重要ではないか」
「宿泊施設を中心にした、生活・食・観光のサービスを、まちぐるみで展開していったらどうか」
などの提案がありました。
また、羽田さんからは、
「何よりも、地元の受け入れ体制(地域観光振興推進組織)をどうつくっていくかが重要。地域総力戦のプロ組織の誕生をうながすのが行政の仕事」
などのお話がありました。
第1回から通して受講した感想は、やっぱり「誰がやるのか」「誰とやるのか」「地域をどうまきこむか」ということをきちんと考え、実行に移していかなければ、ということ。
ひきみ学舎が中心になっていくことを、多少強引にでもおしすすめていく必要がありそうです。案内人養成講座などが温まっているこの機会を逃す手はありませんから。(報告:NT)
第2回 しまねツーリズム大学 その2
第2回 しまねツーリズム大学の2日目(28日)は、前日にフィールドワークをしてみつけたものをまとめ、観光商品としてどんなテーマでどんなことを提案していくかを話し合いました。最終的には3つのグループがそれぞれの成果を発表することになります。
わがBグループは、講師の野口智子さんの提案により考え方の転換を行うことになりました。つまり、これまでは出雲大社に参拝するためとにかくそちらに向かっていた(これをファーストとする)流れを、大社を背にして鳥居の前から逆に歩き出す(こちらはスローの考え方)ことにしたのです。それによって客や地元がどう変わるか、何と何を結び付けていけばよいかなどを考えてみようというアドバイスがありました。
野口さんの提案はここまで。あとはグループのメンバーでまとめることになったのですが、なんと私が進行役に指名されてしまいました。前日のフィールドワークの楽しさはどこへやら、一転、「まいったなぁ」の気分です。
メンバーがみつけたものを付箋にメモして地図にはりつけ、それをながめながらテーマやコンセプト、どんな仕掛けを用意するかなどを話し合いますが、行き着くところがぼんやりとしていて時間ばかりが過ぎていきました。
昼食。すっきりしない気分のまま出雲そばを食べにでかけました。割子そばを食べましたが、これがこしがあってとても美味。何だか午後のことはどうでもよい(失礼!)ような気分。ところで、メンバーのなかの出雲の人たちは、そばのことになると語る語る。そば屋での注文の仕方から食べ方までくわしく教えていただきました。釜揚げそばというのも初めて知りました。
午後。もちろんどうでもよいわけはなく、すでに残り時間もわずか、ついに野口さんから檄がとびました。発表資料の作成、発表の流れ、担当、時間配分などについて指導があり、全員が集中してまとめに向かいます。
企画のテーマは「結びの道プロジェクト~過去から未来へ」、コンセプトは「本物志向の人たちを満足させ、過去や自分を見つめなおすことで未来へのターミナルにもなりうるような場所を目指す」といったところでしょうか。
額縁に入れたくなるような風景めぐりを大枠に、街角博物館となった通りをぶらぶら歩きながらときには休んでお茶を飲み、おむすびを食べ、ときにはそば打ち体験なども出来る。最後にたどりつく旧JR大社駅舎は、未来へのターミナルでもある「スロー神社」。屋根ではカメたちが見守り、2株のハーブはご神木。癒しのラベンダーと元気印のローズマリーの香りを両手に移し、さて、明日からまた歩き出そうと未来に目を向ける。
メンバー全員が交代で、こんな提案を発表しました。
Aグループは出雲市まちなか(高瀬川周辺)を、Cグループは平田・木綿街道をフィールドに発表をおこないました。
最後の講師のまとめでは、買ってよい・売ってよい・地元にもよい商品にすることが大事、今日から自分たちで出来ることは何かを考えるところから始める、などのアドバイスをいただきました。また、実際に「誰がやるのか」ということが重要になってくるだろうとのこと。
商品づくりの内容はもちろんのこと、フィールドワークやワークショップの運営の仕方までふくめ、いろいろな意味で勉強になった講座でした。
最後に、講師のみなさん、いっしょに作業してくれたメンバーのみなさん、受講生のみなさん、本当にありがとうございました。今回の大きな成果は、大勢の人と知り合えたことだと思います。またどこかでお会いできれば嬉しいです。(報告:NT)
第2回 しまねツーリズム大学 その1
2月27・28日に出雲ビッグハートで行われた、島根県観光マーケティング講座「しまねツーリズム大学」の第2回に参加してきました。今回のテーマは「地域資源の掘り起こしと商品づくり」です。
講師は、ゆとり研究所所長でありNPOスローライフ・ジャパン事務局長の野口智子さん、(株)プランニングネットワークの大下茂さん、(財)日本交通公社の大隅一志さんの3名。
27日は、まず3人の講師が座談形式で「地域資源」とよばれる地域の魅力や個性を外部にどうやってアピールしていくかという考え方を解説してくれました。キーワードは、「地域の記憶」「脱常識」「手間ひまをかける」「各地域の素材にそれほど差はない」など。
つづいて受講生は3グループに分かれ、実際に街に出てフィールドワークを行うことに。私は野口さんが担当してくださるBグループ(9名)のメンバーとなりました。
Bグループは、旧JR大社駅舎から出雲大社へ向かう神門通りがフィールドです。ここは、自動車での参拝が主流になってすっかり参拝者が歩かなくなってしまった参道。野口さんの提案は、「大社をなかったことにしてこの通りを見ていこう」というもの。つまり、この通り独自の魅力を探してみよう、ということでしょうか。
旧JR大社の駅舎は宮殿づくりとよばれる立派な木造の建物。ホームにはなぜかラベンダーとローズマリーの大きな株があります。ここで受講生は自分なりに時間を過ごすよう告げられ、また、「スロー」だと感じたものを16枚の絵にするという課題を与えられました。
周辺でしばらくのんびりしたあと、神門通りを歩き出しました。沈丁花のにおいをかいだり、路地に入り込んだり、まんじゅうを食べたりと、あれもあるこんなものもあると言いながらぶらぶらしていきます。ゴールは出雲大社の大鳥居の前。「出雲大社がなかったことにする」ですから。
写真左:旧JR大社駅舎。現在は使われていない。屋根には「スロー」の象徴カメの姿がみえる
写真中:ホームには因幡の白ウサギが描かれているところも。「ファースト」の象徴!?
写真右:みつけた「スロー」を絵にしてメモする。意識してみるとけっこうあるものだ
講座会場にもどってからちょっとした交流会がもうけられました。ほとんどの受講生が参加して自己紹介や名刺交換が行われ、いろいろなところでいろいろな人がいろいろなことをやってるんだなぁという感想。バリバリの観光業の方と、町づくり中心の方にわかれるようでしたが。
お開きになったあと、講師陣、事務局、宿泊の石見組などでの食事会にも仲間にいれてもらいました。こちらでも面白話がたくさん聞けたのですが、今回は割愛します。(報告:NT)
フレッシュミセスひきみの研修会
尾野さんは、学生であり、専門書の古書店の経営にたずさわり、島根県の地域づくりアドバイザーをされたりと、多方面で活躍中の24歳。そのお話には圧倒されっぱなしで、尾野さんのことばをかりれば「電流がはしる」ことしばしば。
さぞかしイケイケのアドバイスがとびだすかと思いきや、参加者の「仕事をもちながら地域づくりを続けたいのだが」という相談には、「ぼちぼちできるところから、無理せずに」という肩の力を抜いたお答えも。また、なぜ島根に関わるのかという質問には「行政や商工会など、その地域の最先端の人たちと仕事ができるから」と答えられ、これは「ほんとだなぁ」と思いました。地域で活動していくためにはとても幸せなことです。
しかし、24歳のじゅうぶん若い尾野さんが自分より若い人たちを育てることに力を入れていると聞くと、「いったいワシらはどうすんの」と愕然とした気分にもなりますが、まぁとにかくできることをつづけていくしかないかとひそかに誓った午後でした。(報告:NT)
第1回 しまねツーリズム大学
第1回の今日は、横浜商科大学教授の羽田耕治さん、(財)日本交通公社の鈴木晴江さん、(株)ツーリズム・マーケティング研究所の松井一郎さんの3人を講師に、「観光まちづくりはロマンとソロバン」「どんな人のためにどんなイメージを創るか」「品質の維持・管理の重要性」「旅行市場の基礎と動向」「観光マーケティングってなに?」というような、基礎的な内容のお話を聞きました。
今回印象に残ったのは「着地型旅行」ということば。恥ずかしながら初めて聞いたのですが、これまではおもに単発のイベントなどで行われてきた、「何月何日にどこどこに来てください、楽しいことやってますよ」というような地域からの発信を、きちんとした旅行商品として売り出そうというもののようです。この動きを推進するための規制緩和(旅行業法の改正)も予定されているとのこと。地域のさまざまなものを活かしてまるごと提供していくことになるだろうこの動き、行政、業者、グループなどの地域の関係者でどのような連携がつくれるかが鍵となるようです。
次回は2月27・28日、ワークショップ形式で地域資源発掘や商品化を学ぶ予定で、こちらも楽しみです。(報告:NT)
*「しまねツーリズム大学」についての詳しいことはこちら(PDF)をごらんください。
かんな流し地形カントリーウォーキング

まず、この地方を中心に中国地方で行われてきた「かんな流し」や「たたら製鉄」についての講義を受けました。かんな流しというのは、山を削って水路に流し、土に含まれている砂鉄をより分けていく作業のこと。そのようにして採取された砂鉄が匹見には大量に運ばれてきて、たたら製鉄が行われたわけです。
そんな説明を聞いたあとで実際に現地を歩いてみると、先週歩いたとき感じた不思議な開放感のある風景に納得がいきました。山を削りに削ったあげく、ずいぶん地形がかわっているということです。写真の、道路上を高架で横切っている水路もかつてはかんな流しに使われたものとのこと。
先週の研修では見るもの何でも記録して、それはそれで面白かったのですが、そこに「あるテーマ」で解説を加えてもらうとまた違った風景が見えてくるのだ、ということを実感しました。
歩く旅の達人養成講座 第1回

センターに帰った後、集めた情報をもとに手書きでオリジナルの地図をつくりました。子どものころ迷路をつくって遊んだような感覚で、これも楽しい。もう少し研修をかさねて、匹見でも応用してみたいと思います。(報告:NT)