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2008.02.18

今福太鼓 - 「匹見再発見」 18

子どもたちと演奏する今福さん 匹見の空に太鼓の音が響く。5月の大型連休に開かれる「匹見峡春まつり」。恒例の太鼓教室では、新緑のさわやかな空気の中、参加者が和太鼓演奏を楽しむ。
 指導するのは、匹見町道川出身の和太鼓奏者、今福優さんが主宰する「石見の風」のメンバーだ。祭りは、地元や近隣で指導を受けている太鼓グループも集まって場を盛り上げる。
 今福さんは幼少のころから地元の神楽に親しみ、「トンチキ・トン・トーン・トーン・ト」という石見神楽特有の調子を体に刻み込んだ。この〝調子〟は、今福さんの個性的な演奏、曲の骨格となっている。
 今福さんは現在、匹見町石谷地区を拠点に国内外で演奏活動しているが、1995年に町内の女性グループから頼まれ、太鼓指導を引き受けた。その後、一つ二つとグループの数が増え、現在、県内では12グループの指導に当たっている。
 グループの年齢層は保育園児から中高年と幅広い。特に、子どもたちの指導には全身全霊を傾ける。
 「子どもたちには、練習などを通して演奏技術だけでなく、自分の力でこれからを生きていくための大切なことを体感してほしい」。今福さんの熱い願いだ。
 2004年から取り組んでいる「いのちの詩(うた)」という曲がある。この曲は、年齢も経験も違うグループであっても、一堂にそろえば競演できる合同曲となる。
 3月2日、益田市の県芸術センター・グラントワで多彩なゲストを招き「今福優」集大成の舞台が催される。最終曲は「いのちの詩」だ。今福さんを通じて広がった太鼓の音が、舞台の上で一つになるさまを、ぜひ「体感」してほしい。問い合わせは、今福優事務所(電話0856・56・0036)

写真:匹見峡春まつりで、子どもたちと演奏する今福優さん(前列中央)

 

(文・写真 /田代祐子、 田代信行)


※この記事は、2008年2月17日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。


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