--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2009.05.17

「山葵天狗社例祭」の季節です

毎年恒例、6月の第1日曜開催の「山葵天狗社例祭」が、今年も6月7日にとり行われます。

三葛・笹山地区のワサビ農家が中心となり、大神ヶ岳中腹にまつられた山葵天狗社(やまあおいてんぐしゃ)に、豊作と安全を祈ります。

お社前での祭祀の後は、麓の夢ファクトリーみささにて、神楽などのアトラクションが行われるとのこと。
ぜひ、お出かけください。

日時:平成21年6月7日(日)
    午前8時30分より 山葵天狗社(大神ヶ岳登山道途中)にて祭祀
    午前11時ころより 夢ファクトリーみささにて神楽等アトラクション、地元物産の販売、食事

匹見再発見「山葵と天狗」
http://manabiya.blog76.fc2.com/blog-date-20080608.html

匹見再発見「大神ヶ岳」
http://manabiya.blog76.fc2.com/blog-date-20080204.html


スポンサーサイト
2009.02.23

六十六部供養塔 - 「匹見再発見」 43

阿弥陀如来像  益田市匹見町には「石見三十三札所」に数えられている寺が2か所(十五番の清閑院は廃寺)ある。その成立は元禄5(1692)年ではないかといわれているが、固定化するのは後の正徳年間(1711‐15)ころになってからだろう。
 現存する十四番の東光山和田寺(浄土宗)は仮堂となっているが、その境内に六十六部の供養塔といわれる石造の阿弥陀(あみだ)如来像がある。六十六部とは、六十六国を廻国して巡礼した聖(ひじり)のことをさすが、略してただ六部という場合もある。
 石造の如来像は当地では珍しく、以前から気にしていた。ただ、坐像の蓮華(れんげ)座の中央にやや太字で六十六部供養と陰彫された以外、コケが繁茂するなど、詳細は分からなかった。
 そこで今季、コケを取り除くなど清浄してみた。すると、蓮華座の右側面に「宝永七年(1710)寅三月三日」とある。また左側面には「施主・教水」という刻銘が現れた。
 六十六部廻国については、正徳年間以前、出雲国では杵築大社(出雲大社)、石見国では大田南八幡宮に代表される国分寺、大麻山権現、柿本神社、隠岐では焼火権現というように5か所程度と少なかった(鳥谷芳雄『島根における近世六十六部廻国』)。しかもそれらはいずれも海岸端に限られていたようだ。
 18世紀後半になると倍増していくものの、石見では三十三札所と重なりが見られるといわれ、それでも和田寺のように山間辺地で発見されたことは初めてで、極めて貴重だ。
 このことは本寺が、浄土宗の三祖といわれている記主(きしゅ)禅師が嘉禎年間(1235‐37)に開基したといわれる名刹(めいさつ)だったことから、納経地として足を向かわせたという背景があったのかもしれない。

 

写真:和田寺の「阿弥陀如来座像」

(文・写真 /渡辺友千代)


この記事は、2009年2月22日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。


2008.06.08

山葵と天狗 - 「匹見再発見」 26

山葵天狗社 六月の第一日曜日、大神ヶ岳の中腹にある山葵天狗社(やまあおいてんぐしゃ)の例祭が行われる。今年も一日、好天の青空の下、三坂大明神と合わせ、祭りがあった。
 山葵天狗社は、1982(昭和57)年、地元三葛・笹山地区でワサビを栽培する人たちにより、豊作を祈って建てられた。
 「神が宿る」「天狗がすむ」と、昔から伝えられてきた大神ヶ岳。ここを源にして湧き出す水は絶えることがなく、山の樹々が落とす葉からは豊かな滋養が溶け出している。この水がワサビ谷や麓のくらしをずっと支えてきた。
 そんな自然からの恵みへの感謝と、それがこれからも続いて欲しいという願い。とともに、ワサビや田畑の作物を病害虫から守りたいという思いが、この祭りには込められている。
 神社建立の翌年、創作神楽『山葵天狗』が誕生。ワサビの害虫を悪霊化した黒妖霊が天狗に退治されるという内容で、毎年この祭りに合わせて上演される。
 会場は、旧三葛小学校の校舎を活用した「夢ファクトリーみささ」。神楽や踊りなどを見ながら、地元の食材を使った、蕎麦や田舎寿司などを味わうことができる。いわば、神様も地元の人もお客さんも、いっしょに楽しむ「直会(なおらい)」だ。
 この日は、大神ヶ岳から尾根を縦走し、立岩・赤谷山までの山開き登山も行われる。登山口から四十分ほどで大神ヶ岳、そこからさらに四十分ほどで立岩の上に立つことができる。
 どちらも懸崖がそびえ、上から眺めれば空に浮かんでいるかのよう。縦走路も開放感があり、青空の下を「空中散歩」するのは実に気分がよい。
 初夏の山里を満喫できる一日だ。

 

写真:岩のくぼみにひっそりと立つ山葵天狗社

(文・写真 /田代信行)


この記事は、2008年6月7日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。


2008.05.25

ムカデ祭る八祖さん - 「匹見再発見」 25

道川の八祖さん 匹見には土俗的な信仰、また石像や祠(ほこら)などが少なくない。
例えば、猿を祭った「猿王さん」、女性のしもの病気に効くという「おはいたさん」、耳の聞こえが良くなるという「ごくうさん」などがある。
 中でもムカデを祭るという八祖(はっそう)さんは珍しい。その八祖さんは町内の匹見の半田、紙祖の元組、道川の元組の三地区に祭られており、いずれも「ムカデの天敵であるニワトリは飼ってはならない」という伝承がある。
 ムカデは多くの足をもつ節足動物で、5~10数センチあり、夜行性、昆虫やミミズを食べる肉食動物である。噛まれるとひどい痛みをともなうが、古くから強壮剤、切り傷などの漢方薬として使われてきたらしい。
 そういった俊秀・効果性などがあり、お金を「オアシ」というが、その多足ということから商売人、芸能者に喜ばれたりした。そしてナメクジとの競争という民話に登場したり、特に田原藤太のムカデ退治は有名である。
 一方では、様態などが鉱山の窟穴(くけつ)に似ているとともに、またそういった場所にムカデは生息していることが多いことから、古くから鉱山関係者に信仰されてきたのであった。
 ムカデを祭るといった奇怪きわまりない信仰ではあるが、その根底には中世末期から近世期にかけて営まれてきた銅山・たたらなどの鉱山関係者の信仰の残存ではなかったか。
 6月7日、そんな匹見の小さな神仏をめぐる「路傍の神仏を訪ねて」が行われる。問合せ・申込みは匹見上地区振興センターまで。(電話0856・56・1144)

 

写真:道川地区の元組にある「八祖さん」

(文・写真 /渡辺友千代)


この記事は、2008年5月24日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。


2008.02.04

大神ヶ岳 - 「匹見再発見」 17

三坂大明神の祠 ひと際高く、また三角形をした優美な山は、古くから〝神が宿る〟などとして神聖視されてきた。標高1000m前後の中国山地を背にした匹見では、そうした山は少なくない。例えば恐羅漢山、安蔵寺山、春日山など。中でも標高1170mの大神ヶ岳は著名だ。
 ここには三坂大明神という女神が祀(まつ)られている。そのため、女性は念仏ヶ原から先へは立入りを許されなかったとか。日本八天狗の一つで、豊前山伏たちの行場だった-などの口伝もある。
 国学者・藤井宗雄の『石見私記』にも「大臣嶽、大臣は天狗の名という高山にて魔処なり」と記され、古くから畏敬視されていたことが分かる。それは山頂にそびえ立つ、幅50m、高さ20mの凝灰岩から成る懸崖(けんがい)の威容さによるものだろう。
 こうした山岳は、一方で「山の神」の在所地でもあり、その神は女神とする場合が多い。つまり子を産む、という能力が一方で生産神としての山の神と一致するからだ。今でも妻のことを「うちの山の神が…」という言い方をするのは、ここから来ている。
 大神ヶ岳では、女性を表徴化したと思われる岩の割れ目が、祠(ほこら)の背後に見られる。そこからはさい銭の古銭が出土し、信仰の対象だったことがうかがえる。
 一方、修験山伏にまつわる口伝もある。彼らは山に臥(ふ)し、罪やけがれを滅ぼし、新しい身分となって山から下る。まさしく巨岩崖壁の大神ヶ岳は、格好な修験の場だったに違いない。
 中腹には、〝潜る〟ことでけがれを払い、新しい身分となって生まれ代わるという修験の本旨を実修したらしい「潜り岩」も見られる。
 歴史に思いをはせながら登山するのも一興だが、初夏の岩肌に咲き乱れるヤブウツギの花は、目を和ませる。 

 

写真:大神ヶ岳の懸崖に祀られている三坂大明神の祠

 

(文・写真 / 渡辺友千代、田代信行)


※この記事は、2008年2月3日付の山陰中央新報掲載分を転載したものです。

 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。